【初心者ダイバー必見】絶対に後悔しないダイビングショップの選び方

今回のテーマは、未経験の方がいざダイビングを始める際に最も大切なお店選びということに的を絞った内容にしてみました。20年以上ダイビング業界に従事してきたことによって感じることや過去のデータを参照して少しでも皆様の参考になれば何よりです。

ダイビングショップの役割

任務1

ダイバー育成

お客様が思い描いているダイビングが不自由なくできるように正しい知識と技術を身につけていただくことが最初の役割となります。

任務2

器材の貸し出し

体験ダイビングや短期的な資格取得コース受講時に使用する器材の貸し出し業務です。ご自身の器材購入をご検討されるお客様にとっても使い分けは参考になります。

任務3

ツアーの販売

資格取得後にいきなりブランクが開いてしまわないよう多くのショップでは日帰りのツアーから海外リゾートツアーまで開催し販売しています。

任務4

器材の販売

ダイビングは器材のスポーツと言われます。安全に永く潜り続けていただくためにお客様にあった最適な器材をお勧めすることも大事な業務となってきます。

ダイビングショップの種類

1. リゾート型ダイビングショップ

沖縄や海外リゾート地にあるダイビングショップで業界では現地サービスと呼びます。伊豆の海辺にあるお店もこちらに当てはまります。多くのダイビング未経験社が真っ先にイメージするダイビングショップでは無いでしょうか?

旅行者を対象とした体験ダイビングや、Cカードを持ったダイバーに対してファンダイビングを提供することに特化したショップです。

【特徴】
  • 年間通してコンディションが良く、従事しているスタッフは毎日同じ海を潜っているので生物に詳しいため、資格取得後のダイバーにとっては楽しい
  • 資格取得がメインではないため、繁忙期は流れ作業になり旅行期間中に取得できない人が発生するが都心に比べると立地や人件費分取得費用は抑えられる
  • レンタルが主な収益であるため器材のセールスは受けない
  • プールに代わって足の着く海での練習になるためやや難しい

2. 都市型ダイビングショップ

都心などの街中にあるダイビングショップでプロショップなどと呼ぶこともあります。こちらはこれからダイビングを始める方に向けたダイビングスクールを提供するのが主な業務となっており、仕事帰りやご自宅から通いやすいといった特徴が挙げられます

【特徴】
  • 学科からしっかり教えてもらえる
  • プール講習が基本なので時間をかけてもらえる
  • 現地型と比較して費用はかかる
  • 取得後のフォローがついてくる
  • 器材を揃える際に相談に乗ってくれる
  • 仕事帰りに通える
  • 仲間が増える

3. 量販店

人が集まる大都市の駅近くやう沖縄などの観光客においてダイビング器材などの物販をメインにしている大型のお店で、ムラサキスポーツやマツキヨのようにダイビンググッズやマリングッズが数多く並べられたお店です。

【特徴】
  • 品揃えが豊富なので欲しいものが買える
  • 資格取得やツアーはやや高くつく
  • 器材のセールスは強め
  • 仲間ができにくい

POINT1: 10年以上運営している老舗を検討しよう

日本国内には約1500店舗のダイビングショップがあると言われています。そのほとんどが沖縄、静岡、東京、大阪、神奈川に集中しており全体の約60%を占めています。

2022年現在もその数は大きく変化していません。毎年数多くのお店が出店していますが同じ数だけなくなっているのが実情です。決して安価な趣味では無いのでお店の実績はしっかり見るようにしましょう。わからない場合は、指導団体などから表彰されているお店を選ぶのも一つです。ただし、注意すべきことは評価対象です。指導団体が評価する項目の中にはカードの発行枚数だけを評価するケースがあり、それは言い換えればスクールの質とはなんら関連はありません。多くのカードを発行していることにはなりますが、多くのお客様に発行していることでは無いのです。また、専門学校や大学サークルなどの団体にカード発行するだけでも数は稼げてしまうので評価されます。それは当店でも同じですしお店が自慢することではありません。間違った表面的な評価に影響されない見識が必要です。結局のところそこに通うお客様による評価こそが信憑性が高く、評価のあるお店は長続きしているものです。インターネットなどのランキングサイトもありますが信憑性は薄いものです。当店にもその手の業者様から電話がよくかかって来ますがお金を払って掲載していることがほとんどです。支払う金額上位になる仕組みなのはご存知ですか?

このような理由から、信用できるのは自分の目で確かめたことだけだと思いましょう。

POINT2: 実習地まで送迎付きと謳うと違法?

意外と知られていないことかも知れませんが、スクール受講時に「送迎付きです」と言われた場合、そこは違法営業の可能性があります。送ってもらえるならいいんじゃない?と思われる方も多いでしょうが告発されるとそのお店は危険です。顧客を社用車に乗せて運搬する際は以下の2つが問題となってきます。

  1. 道路運搬法 第4条 一般旅客自動車運送業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。となっており、お客さんを自動車で運んでお金をもらうためには、許可が必要になります。
  2. 道路交通法 第86条 次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。となっており、第2種免許(タクシーやバスの運転手免許)が無ければ、お客さんを運ぶ為に自動車を運転することができません。

ただし、次の場合は違法となりませんので参考までに。

  1. お金を頂かずに送迎する(違法ではありません
  2. 料金を頂いて送迎する(営業許可と第二種免許が無ければ違法です)

お店によってアナウンスはまちまちかと思うますが、あくまでダイビングスクールと現地までの移動は別のサービスであり、別料金で送迎するといったお店があるとは思いませんが説明会などにいった際は気にしてみるのも一つです。

そして送迎が当たり前のお店は、スクール代自体にもともと料金を含んで提示していることが多いため高単価になっている場合もあります。とはいえ、現地まで送迎してもらったお客さんが告発するようなケースは非常に稀なことです。多いのは、サービスに不愉快を感じられたお客様や多店舗からの嫌がらせによる告発によって「営業停止」や「注意勧告」にあうことで、何も知らなかったお客様に迷惑がかかってしまうことです。

ともあれ、お客様を乗せるのであれば事業者がしっかりと「許可を取り、免許を取得すればいいだけの話です」。

大手のダイビングショップでは、その辺りは把握していると思いますが、小さい個人店で環境が整っていない場合は同等の費用を払って通うメリットは少ないでしょう。

POINT3: 資格の提示を求めよう

ダイビングインストラクターの業務に必要な資格は2つ。加盟する指導団体が認定するインストラクター資格と、国家資格である潜水士免許です。インストラクターはその身分を提示し明確に示す義務があります。万が一、目の前にいる店舗スタッフがその資格を示していない場合は、提示を求めましょう。お金を支払っているのはお客様自身ですから、無資格の単にダイビングが上手い人だったでは後味が良くないです。そういったことが当たり前に行われているお店の特徴は、認定証に記入されるインストラクターの署名が実際講習を行った人間と違う(サインだけインストラクターがしている)というケースが実際ありました。初心者の方は全く知識を持ち合わせていないので多くの場合気づかれないわけです。

POINT4: 最も重要なこと

お店を選ぶポイントの中で最も大事なことは、そのお店の収益構造を知ることです。要するに「始めることが手軽なのか、続けることが手軽なのか」です。

ここを見極めないと必ず後悔します。日本国内には約150万人のダイバーがいると言われています。そのうちアクティブダイバー(継続している人)は、たったの60万人程度で、90万人はせっかく資格を取得したにも関わらずその後潜っていないというデータが出ていることが示すことは、「自分に合ったダイビングショップが選べていない」ということです。

ここで、役に立つことが冒頭でお伝えしたダイビングショップの4つの役割(収益構造)となります。そのお店がどの部分で収益を得ているのかを知ることこそ自分に合ったお店が選べるということです。そしてこの問題は、日本人という国民性も影響してきているかもわかりません。集団行動意識が強いという点です。例えば、これが普通と思っていることが普通ではないということです。

少し、話が変わりますが、以前、英国にいった時のことです。英国と言えば世界最古のダイビング指導団体であるBSACが有名です。当時、日本から招待を受けその団体の年次総会に参加した時に衝撃を受けたことがありました。東京ビックサイトのような広大な室内で開催された場所に集まってきた人々の数の多さです。もう何百人いたのかわかりません。

そしてダイビングを長年続けている高齢の方の多さにも驚きました。皆さんにお伝えしたいことは、英国にはダイビングショップなんてものは存在しません。ダイビングを始めたいと思ったら家から一番近い「ブランチ」と言われる場所にいき講習をうけ、ダイバー認定を受けるのですが、全て無料です。教材はその辺の本屋さんで買っていく形式です。ブランチでは趣味のダイバー仲間が集まってきておりインストラクターがいるため希望者は無償で教えてくれます。なぜそんなことができるのかというと、みんな他に仕事をしているからです。ダイビングライセンスは決められたバディと自信の安全を誰かに依存することなく潜れる意味合いのものであり、取得後にショップのインストラクターに連れられて潜りにいくために取得するものではありません。スノーボードやサーフィンなどと同様に気の知れた仲間達だけで遊びに出かけることが最も楽しく、飽きのこない趣味となるわけです。

しかも、英国の海は年間で最も水温が高くなる時期でも15度程度で基本的に寒いです。また、透明度は悪く、魚はほとんどいませんし、ひどい時は干満の水位が15m(激流)も変わります。

その海を潜り、長く継続できている理由は安価に遊びにいけることができているからです。

話を戻します。

日本はどうでしょう。ほとんどのダイビングショプが同じサービスの提供をしており、サービス内容だけであればどこでも同じになってしまっています。

  1. 初級ライセンス講習代
  2. レンタル器材代
  3. 高額なショップツアー代
  4. 器材購入代
  5. レベルアップ講習代

8割以上のダイビングショップが上記の順番でサービス提供しているのではないでしょうか?ダイバー人口が少ないということが原因にもなっているようですが、明らかに一人のダイバーからいただく費用が多いわけです。もうお分かりでしょうか?

ダイバー認定を受けた6割から7割のダイバーが辞めてしまっている理由です。続けていくことが高くつくわけです。

逆に継続できているダイバーの多くは正しい始め方や続け方、お店選びができているということです。

  1. 中級コースをまずは取得する
  2. 器材を揃える(レンタルも可)
  3. 友達と安く潜りにいく

いきなり中級と聞くと敷居が高く感じますが、車の免許を取得するに第一段階だけ受講する人はいますか?それこそ無駄使いですよね。ダイビングの初級コースから取得を勧めるのはあくまで大半のお店であってお客さんではないんです。初級コースの認定を受けただけでは必要最低限の知識と技術しか身につきません。もちろん専門家が引率すれば安心ですがそこが落とし穴だと思いませんか?

引率することによって、個人で遊びに出かけるダイバーより多くの費用がかかってくるわけです。ダイビングを普及させることが何より重要だとわかっているショップが利益のために自立できないダイバーを作っているわけです。

私が、BSACを選ぶ最大の理由がここにあります。お店に通い続けることがない自立ダイバーの育成をして、必要最低限の費用で永く続けていただくことこそお店の使命だと思います。

継続できなかったダイバーの全てが同じだとは断言できませんが、日本で提供されている当たり前のサービスによって辞めてしまったダイバーが大半を占めていることが何よりの証拠ではないでしょうか?

最終的に永く続けるためのいいお店選びのポイントは初級コースの価格ではなく、ショップツアーの価格を見ることです。

ショップ価格から個人で潜りにいく価格を差し引いてみましょう。

指導団体について

どのような形態であってもダイビングショップを運営するためにはどこかの指導団体(カード発行機関)に加盟する必要があります。現在日本国内だけでも約40団体ほどの指導団体があり、ダイバー育成のためのカリキュラムや加盟店管理、インストラクターの教育といった活動をしています。車の運転免許を取得することに例えられますが、教習所がお店とするなら、免許を発行する道路公団が指導団体という立ち位置になります。大きな違いとしては、道路公団は国の機関なのに対して、日本国内の指導団体のほとんどが民間の営利団体であるという点です。したがって指導団体が主な収益とするカードの発行手数料や加盟店の登録料や更新料も各団体ごとに違ったりするわけです。これはダイビングを始められる方にとっては直接的に影響することではなく、加盟店が加入する際に判断する要素となってきます。

どこの指導団体がいいの?

たくさんの指導団体があり、知れば知るほどわからなくなってしまいます。結論から言うとある程度の知名度があれば全く問題はありません。とはいってもこれから始める方にとってはその知名度自体がわからないですよね。そして知名度が低いとどのようなリスクがあるのか知りたいですよね。

知名度による影響

当社でもお客様から問い合わせの際に「国際ライセンスですか?」といったことを聞かれることがあります。先にも述べましたが指導団体は民間の営利団体であり、明確に国際的な機関はありません。日本国外に出て使用できるかどうかは結局のところその知名度に左右されます。知名度が低いといくら素晴らしい信念や指導カリキュラムを作成したとしても認知されないといったリスクがあると言うことです。そのため各指導団体は世界中に支店を置き、認知度普及に努めているのです。

IOS取得の指導団体なら間違いなし

日本国内にある指導団体の中で世界基準の指導カリキュラムを自負する団体は数多くありますが、第三者機関の審査に合格している団体は実は多くありません。

  • BSAC
  • PADI
  • NAUI
  • SSI
  • SDI
  • SNSI

上記を扱っているお店であれば国内外に置いてカードの知名度によって断られることはありません。日本国内においてはPADIが圧倒的な勢力を誇っております。というのもPADIの加盟店が国内では多いため必然的にダイバー人口は増えているということです。反面で、リタイヤしているダイバーが多くもなってしまっているのも偏りが出てしまいます。ただ、これらは指導団体がどうといった直接的な原因ではなく、あくまでその加盟店のダイバー育成方針によるものと言えます。

PADIショップが国内で多い理由

日本国内でスキューバダイビングが大流行した1980年代後半、その影響となったのが織田裕二主演の映画「彼女が水着に着替えたら」です。同じくスキーブームに影響を与えたのは「私をスキーに連れて行って」でした。現代とは違い、まだ簡単に海外リゾートに行ける家庭は少なかった戦後の日本でバブルが到来し、ここぞとばかりに多くの日本人が国内外のリゾートに出かけるようになります。

日本人の休日は欧米と比較して短く、旅行先の人気はグアムやサイパン、ハワイといった場所でした。映画の影響から旅行先でダイビング資格を取得して帰国した富裕層がたくさんいたわけですが、そのほとんどがアメリカ圏での取得だったためPADI(米国)のカードを取得していたわけです。帰国後に国内にダイビングショップがほとんどなくPADIダイバーを引き込むために一気にPADIショップができていったのが今に至ります。当時は高価な器材が飛ぶように売れていたそうです。

当時の20代ダイバーも今では50代となりましたが、まだまだ現役で潜っているわけです。大人気の映画の影響で、ダイビングは海外で行うものというイメージが偏ってしまったわけです。

そしてビジネスチャンスとばかりにこぞってPADIの看板が増え富裕層を取り込んでいったという流れです。もちろん、PADIは世界的にも素晴らしい指導機なんであり、加盟店管理もしっかりしていますので、基準違反をおこなった店舗などはホームページ上で公表もしますし、ダイバーの味方でもありますから安心して大丈夫です。

まとめ

いかがでしたか?かなり突っ込んだところまで書き込んでおりますが、全てはこれからダイビングを始められる全ての方々が、ニーズに合ったお店選びができることが何よりダイビング業界のためになると信じております。

人それぞれにおいて、安く資格取得のみ求められる方もおられるかと思いますが、そういった方は旅行先で取得されるのが一番安く済みますが、継続できる環境(周りに自立ダイバーが多い)が整っていないと結局大きくブランクが空いてしまいます。

その場合は、取得自体を焦らず現地で体験ダイビングをして楽しむという方法がおすすめです。

逆に、趣味としてダイビングを楽しみ、ダイバー仲間も増やしていきたいという方であれば往路ショップを選ぶと満たされると思います。最後に、お店選びのポイントをおさらいして終わりにします。

  • 取得するカードはISO取得団体で絞る
  • 一番お金がかかる継続費用が安いお店を探す
  • 法律や基準を遵守している安心なお店を選ぶ
  • 身分を示しているか見る
  • 口コミは同業者が書き込んでいることが多いので信用せず、自分の目で判断する
  • ほとんどの日本人ダイバーと同じ間違いを犯さないこと
  • 資格を取得するなら自立ダイバーになってお店に頼らない

以上。長々と最後までお付き合いいただきありがとうございました。

知っているのと知らないのとでは、全然見え方が変わってきますので、頭に入れて説明会などに行かれることをお勧めいたします。

ホームページ上にツアーやファンダイブの料金が掲載されていないお店は必ず確認しておきましょう。

ちなみに関東から伊豆でのセルフダイビングの相場は¥12,000(ビーチガイド付き)〜¥17,000(ボートガイド付き)ほどです

今回のテーマは、未経験の方がいざダイビングを始める際に最も大切なお店選びということに的を絞った内容にしてみました。20年以上ダイビング業界に従事してきたことによって感じることや過去のデータを参照して少しでも皆様の参考になれば何よりです。

ダイビングショップの役割

任務1

ダイバー育成

お客様が思い描いているダイビングが不自由なくできるように正しい知識と技術を身につけていただくことが最初の役割となります。

任務2

器材の貸し出し

体験ダイビングや短期的な資格取得コース受講時に使用する器材の貸し出し業務です。ご自身の器材購入をご検討されるお客様にとっても使い分けは参考になります。

任務3

ツアーの販売

資格取得後にいきなりブランクが開いてしまわないよう多くのショップでは日帰りのツアーから海外リゾートツアーまで開催し販売しています。

任務4

器材の販売

ダイビングは器材のスポーツと言われます。安全に永く潜り続けていただくためにお客様にあった最適な器材をお勧めすることも大事な業務となってきます。

ダイビングショップの種類

1. リゾート型ダイビングショップ

沖縄や海外リゾート地にあるダイビングショップで業界では現地サービスと呼びます。伊豆の海辺にあるお店もこちらに当てはまります。多くのダイビング未経験社が真っ先にイメージするダイビングショップでは無いでしょうか?

旅行者を対象とした体験ダイビングや、Cカードを持ったダイバーに対してファンダイビングを提供することに特化したショップです。

【特徴】
  • 年間通してコンディションが良く、従事しているスタッフは毎日同じ海を潜っているので生物に詳しいため、資格取得後のダイバーにとっては楽しい
  • 資格取得がメインではないため、繁忙期は流れ作業になり旅行期間中に取得できない人が発生するが都心に比べると立地や人件費分取得費用は抑えられる
  • レンタルが主な収益であるため器材のセールスは受けない
  • プールに代わって足の着く海での練習になるためやや難しい

2. 都市型ダイビングショップ

都心などの街中にあるダイビングショップでプロショップなどと呼ぶこともあります。こちらはこれからダイビングを始める方に向けたダイビングスクールを提供するのが主な業務となっており、仕事帰りやご自宅から通いやすいといった特徴が挙げられます

【特徴】
  • 学科からしっかり教えてもらえる
  • プール講習が基本なので時間をかけてもらえる
  • 現地型と比較して費用はかかる
  • 取得後のフォローがついてくる
  • 器材を揃える際に相談に乗ってくれる
  • 仕事帰りに通える
  • 仲間が増える

3. 量販店

人が集まる大都市の駅近くやう沖縄などの観光客においてダイビング器材などの物販をメインにしている大型のお店で、ムラサキスポーツやマツキヨのようにダイビンググッズやマリングッズが数多く並べられたお店です。

【特徴】
  • 品揃えが豊富なので欲しいものが買える
  • 資格取得やツアーはやや高くつく
  • 器材のセールスは強め
  • 仲間ができにくい

POINT1: 10年以上運営している老舗を検討しよう

日本国内には約1500店舗のダイビングショップがあると言われています。そのほとんどが沖縄、静岡、東京、大阪、神奈川に集中しており全体の約60%を占めています。

2022年現在もその数は大きく変化していません。毎年数多くのお店が出店していますが同じ数だけなくなっているのが実情です。決して安価な趣味では無いのでお店の実績はしっかり見るようにしましょう。わからない場合は、指導団体などから表彰されているお店を選ぶのも一つです。ただし、注意すべきことは評価対象です。指導団体が評価する項目の中にはカードの発行枚数だけを評価するケースがあり、それは言い換えればスクールの質とはなんら関連はありません。多くのカードを発行していることにはなりますが、多くのお客様に発行していることでは無いのです。また、専門学校や大学サークルなどの団体にカード発行するだけでも数は稼げてしまうので評価されます。それは当店でも同じですしお店が自慢することではありません。間違った表面的な評価に影響されない見識が必要です。結局のところそこに通うお客様による評価こそが信憑性が高く、評価のあるお店は長続きしているものです。インターネットなどのランキングサイトもありますが信憑性は薄いものです。当店にもその手の業者様から電話がよくかかって来ますがお金を払って掲載していることがほとんどです。支払う金額上位になる仕組みなのはご存知ですか?

このような理由から、信用できるのは自分の目で確かめたことだけだと思いましょう。

POINT2: 実習地まで送迎付きと謳うと違法?

意外と知られていないことかも知れませんが、スクール受講時に「送迎付きです」と言われた場合、そこは違法営業の可能性があります。送ってもらえるならいいんじゃない?と思われる方も多いでしょうが告発されるとそのお店は危険です。顧客を社用車に乗せて運搬する際は以下の2つが問題となってきます。

  1. 道路運搬法 第4条 一般旅客自動車運送業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。となっており、お客さんを自動車で運んでお金をもらうためには、許可が必要になります。
  2. 道路交通法 第86条 次の表の上欄に掲げる自動車で旅客自動車であるものを旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的で運転しようとする者は、当該自動車の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第二種免許を受けなければならない。となっており、第2種免許(タクシーやバスの運転手免許)が無ければ、お客さんを運ぶ為に自動車を運転することができません。

ただし、次の場合は違法となりませんので参考までに。

  1. お金を頂かずに送迎する(違法ではありません
  2. 料金を頂いて送迎する(営業許可と第二種免許が無ければ違法です)

お店によってアナウンスはまちまちかと思うますが、あくまでダイビングスクールと現地までの移動は別のサービスであり、別料金で送迎するといったお店があるとは思いませんが説明会などにいった際は気にしてみるのも一つです。

そして送迎が当たり前のお店は、スクール代自体にもともと料金を含んで提示していることが多いため高単価になっている場合もあります。とはいえ、現地まで送迎してもらったお客さんが告発するようなケースは非常に稀なことです。多いのは、サービスに不愉快を感じられたお客様や多店舗からの嫌がらせによる告発によって「営業停止」や「注意勧告」にあうことで、何も知らなかったお客様に迷惑がかかってしまうことです。

ともあれ、お客様を乗せるのであれば事業者がしっかりと「許可を取り、免許を取得すればいいだけの話です」。

大手のダイビングショップでは、その辺りは把握していると思いますが、小さい個人店で環境が整っていない場合は同等の費用を払って通うメリットは少ないでしょう。

POINT3: 資格の提示を求めよう

ダイビングインストラクターの業務に必要な資格は2つ。加盟する指導団体が認定するインストラクター資格と、国家資格である潜水士免許です。インストラクターはその身分を提示し明確に示す義務があります。万が一、目の前にいる店舗スタッフがその資格を示していない場合は、提示を求めましょう。お金を支払っているのはお客様自身ですから、無資格の単にダイビングが上手い人だったでは後味が良くないです。そういったことが当たり前に行われているお店の特徴は、認定証に記入されるインストラクターの署名が実際講習を行った人間と違う(サインだけインストラクターがしている)というケースが実際ありました。初心者の方は全く知識を持ち合わせていないので多くの場合気づかれないわけです。

POINT4: 最も重要なこと

お店を選ぶポイントの中で最も大事なことは、そのお店の収益構造を知ることです。要するに「始めることが手軽なのか、続けることが手軽なのか」です。

ここを見極めないと必ず後悔します。日本国内には約150万人のダイバーがいると言われています。そのうちアクティブダイバー(継続している人)は、たったの60万人程度で、90万人はせっかく資格を取得したにも関わらずその後潜っていないというデータが出ていることが示すことは、「自分に合ったダイビングショップが選べていない」ということです。

ここで、役に立つことが冒頭でお伝えしたダイビングショップの4つの役割(収益構造)となります。そのお店がどの部分で収益を得ているのかを知ることこそ自分に合ったお店が選べるということです。そしてこの問題は、日本人という国民性も影響してきているかもわかりません。集団行動意識が強いという点です。例えば、これが普通と思っていることが普通ではないということです。

少し、話が変わりますが、以前、英国にいった時のことです。英国と言えば世界最古のダイビング指導団体であるBSACが有名です。当時、日本から招待を受けその団体の年次総会に参加した時に衝撃を受けたことがありました。東京ビックサイトのような広大な室内で開催された場所に集まってきた人々の数の多さです。もう何百人いたのかわかりません。

そしてダイビングを長年続けている高齢の方の多さにも驚きました。皆さんにお伝えしたいことは、英国にはダイビングショップなんてものは存在しません。ダイビングを始めたいと思ったら家から一番近い「ブランチ」と言われる場所にいき講習をうけ、ダイバー認定を受けるのですが、全て無料です。教材はその辺の本屋さんで買っていく形式です。ブランチでは趣味のダイバー仲間が集まってきておりインストラクターがいるため希望者は無償で教えてくれます。なぜそんなことができるのかというと、みんな他に仕事をしているからです。ダイビングライセンスは決められたバディと自信の安全を誰かに依存することなく潜れる意味合いのものであり、取得後にショップのインストラクターに連れられて潜りにいくために取得するものではありません。スノーボードやサーフィンなどと同様に気の知れた仲間達だけで遊びに出かけることが最も楽しく、飽きのこない趣味となるわけです。

しかも、英国の海は年間で最も水温が高くなる時期でも15度程度で基本的に寒いです。また、透明度は悪く、魚はほとんどいませんし、ひどい時は干満の水位が15m(激流)も変わります。

その海を潜り、長く継続できている理由は安価に遊びにいけることができているからです。

話を戻します。

日本はどうでしょう。ほとんどのダイビングショプが同じサービスの提供をしており、サービス内容だけであればどこでも同じになってしまっています。

  1. 初級ライセンス講習代
  2. レンタル器材代
  3. 高額なショップツアー代
  4. 器材購入代
  5. レベルアップ講習代

8割以上のダイビングショップが上記の順番でサービス提供しているのではないでしょうか?ダイバー人口が少ないということが原因にもなっているようですが、明らかに一人のダイバーからいただく費用が多いわけです。もうお分かりでしょうか?

ダイバー認定を受けた6割から7割のダイバーが辞めてしまっている理由です。続けていくことが高くつくわけです。

逆に継続できているダイバーの多くは正しい始め方や続け方、お店選びができているということです。

  1. 中級コースをまずは取得する
  2. 器材を揃える(レンタルも可)
  3. 友達と安く潜りにいく

いきなり中級と聞くと敷居が高く感じますが、車の免許を取得するに第一段階だけ受講する人はいますか?それこそ無駄使いですよね。ダイビングの初級コースから取得を勧めるのはあくまで大半のお店であってお客さんではないんです。初級コースの認定を受けただけでは必要最低限の知識と技術しか身につきません。もちろん専門家が引率すれば安心ですがそこが落とし穴だと思いませんか?

引率することによって、個人で遊びに出かけるダイバーより多くの費用がかかってくるわけです。ダイビングを普及させることが何より重要だとわかっているショップが利益のために自立できないダイバーを作っているわけです。

私が、BSACを選ぶ最大の理由がここにあります。お店に通い続けることがない自立ダイバーの育成をして、必要最低限の費用で永く続けていただくことこそお店の使命だと思います。

継続できなかったダイバーの全てが同じだとは断言できませんが、日本で提供されている当たり前のサービスによって辞めてしまったダイバーが大半を占めていることが何よりの証拠ではないでしょうか?

最終的に永く続けるためのいいお店選びのポイントは初級コースの価格ではなく、ショップツアーの価格を見ることです。

ショップ価格から個人で潜りにいく価格を差し引いてみましょう。

指導団体について

どのような形態であってもダイビングショップを運営するためにはどこかの指導団体(カード発行機関)に加盟する必要があります。現在日本国内だけでも約40団体ほどの指導団体があり、ダイバー育成のためのカリキュラムや加盟店管理、インストラクターの教育といった活動をしています。車の運転免許を取得することに例えられますが、教習所がお店とするなら、免許を発行する道路公団が指導団体という立ち位置になります。大きな違いとしては、道路公団は国の機関なのに対して、日本国内の指導団体のほとんどが民間の営利団体であるという点です。したがって指導団体が主な収益とするカードの発行手数料や加盟店の登録料や更新料も各団体ごとに違ったりするわけです。これはダイビングを始められる方にとっては直接的に影響することではなく、加盟店が加入する際に判断する要素となってきます。

どこの指導団体がいいの?

たくさんの指導団体があり、知れば知るほどわからなくなってしまいます。結論から言うとある程度の知名度があれば全く問題はありません。とはいってもこれから始める方にとってはその知名度自体がわからないですよね。そして知名度が低いとどのようなリスクがあるのか知りたいですよね。

知名度による影響

当社でもお客様から問い合わせの際に「国際ライセンスですか?」といったことを聞かれることがあります。先にも述べましたが指導団体は民間の営利団体であり、明確に国際的な機関はありません。日本国外に出て使用できるかどうかは結局のところその知名度に左右されます。知名度が低いといくら素晴らしい信念や指導カリキュラムを作成したとしても認知されないといったリスクがあると言うことです。そのため各指導団体は世界中に支店を置き、認知度普及に努めているのです。

IOS取得の指導団体なら間違いなし

日本国内にある指導団体の中で世界基準の指導カリキュラムを自負する団体は数多くありますが、第三者機関の審査に合格している団体は実は多くありません。

  • BSAC
  • PADI
  • NAUI
  • SSI
  • SDI
  • SNSI

上記を扱っているお店であれば国内外に置いてカードの知名度によって断られることはありません。日本国内においてはPADIが圧倒的な勢力を誇っております。というのもPADIの加盟店が国内では多いため必然的にダイバー人口は増えているということです。反面で、リタイヤしているダイバーが多くもなってしまっているのも偏りが出てしまいます。ただ、これらは指導団体がどうといった直接的な原因ではなく、あくまでその加盟店のダイバー育成方針によるものと言えます。

PADIショップが国内で多い理由

日本国内でスキューバダイビングが大流行した1980年代後半、その影響となったのが織田裕二主演の映画「彼女が水着に着替えたら」です。同じくスキーブームに影響を与えたのは「私をスキーに連れて行って」でした。現代とは違い、まだ簡単に海外リゾートに行ける家庭は少なかった戦後の日本でバブルが到来し、ここぞとばかりに多くの日本人が国内外のリゾートに出かけるようになります。

日本人の休日は欧米と比較して短く、旅行先の人気はグアムやサイパン、ハワイといった場所でした。映画の影響から旅行先でダイビング資格を取得して帰国した富裕層がたくさんいたわけですが、そのほとんどがアメリカ圏での取得だったためPADI(米国)のカードを取得していたわけです。帰国後に国内にダイビングショップがほとんどなくPADIダイバーを引き込むために一気にPADIショップができていったのが今に至ります。当時は高価な器材が飛ぶように売れていたそうです。

当時の20代ダイバーも今では50代となりましたが、まだまだ現役で潜っているわけです。大人気の映画の影響で、ダイビングは海外で行うものというイメージが偏ってしまったわけです。

そしてビジネスチャンスとばかりにこぞってPADIの看板が増え富裕層を取り込んでいったという流れです。もちろん、PADIは世界的にも素晴らしい指導機なんであり、加盟店管理もしっかりしていますので、基準違反をおこなった店舗などはホームページ上で公表もしますし、ダイバーの味方でもありますから安心して大丈夫です。

まとめ

いかがでしたか?かなり突っ込んだところまで書き込んでおりますが、全てはこれからダイビングを始められる全ての方々が、ニーズに合ったお店選びができることが何よりダイビング業界のためになると信じております。

人それぞれにおいて、安く資格取得のみ求められる方もおられるかと思いますが、そういった方は旅行先で取得されるのが一番安く済みますが、継続できる環境(周りに自立ダイバーが多い)が整っていないと結局大きくブランクが空いてしまいます。

その場合は、取得自体を焦らず現地で体験ダイビングをして楽しむという方法がおすすめです。

逆に、趣味としてダイビングを楽しみ、ダイバー仲間も増やしていきたいという方であれば往路ショップを選ぶと満たされると思います。最後に、お店選びのポイントをおさらいして終わりにします。

  • 取得するカードはISO取得団体で絞る
  • 一番お金がかかる継続費用が安いお店を探す
  • 法律や基準を遵守している安心なお店を選ぶ
  • 身分を示しているか見る
  • 口コミは同業者が書き込んでいることが多いので信用せず、自分の目で判断する
  • ほとんどの日本人ダイバーと同じ間違いを犯さないこと
  • 資格を取得するなら自立ダイバーになってお店に頼らない

以上。長々と最後までお付き合いいただきありがとうございました。

知っているのと知らないのとでは、全然見え方が変わってきますので、頭に入れて説明会などに行かれることをお勧めいたします。

ホームページ上にツアーやファンダイブの料金が掲載されていないお店は必ず確認しておきましょう。

ちなみに関東から伊豆でのセルフダイビングの相場は¥12,000(ビーチガイド付き)〜¥17,000(ボートガイド付き)ほどです

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